ヒューリック株主総会に行ってきました

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本日はヒューリック（3003）の第86期定時株主総会の日でしたので行って参りましたので報告します。

昭栄と合併して以来、株主数が増えたこともあって毎回何か起こっているような気がするので今回も何かが起きるかなと少し期待しながらの参加しました。

上記の画像を見ていただくとわかりますが、今回はドリンクコーナーと託児コーナーも用意されていました。ドリンクコーナーは去年もあった気がするけど託児コーナーもあったのかな？

株主総会概要

開催日：2016年3月23日（水）午前10:00～午前11:10くらいまで

開催場所：東武ホテルレバント東京 4階［錦］

お土産：あり（クラブハリエのバームクーヘン）
議決権を行使できる株主数：4万4,294名
その議決権数：659万1818個
出席参加株主数：1万4,585名（議決権行使書提出・インターネット上での行使含）
その議決権の数：602万7,740個

会場席数：900席（会場スタッフ曰く）
着席率：およそ9割ほど（スタッフの誘導により前方の席はほぼ満席状態）

銘柄情報

単元：100株
総会前日の終値：1,046円
株主優待：あり（300株以上保有の株主にカタログギフト3,000円分。3年以上保有で3,000円×2）

決議事項

第1号議案：剰余金処分の件
第2号議案：定款一部変更の件
第3号議案：取締役10名選任の件
第4号議案：監査役3名選任の件
第5号議案：補欠監査役1名選任の件
第6号議案：取締役に対する業績連動型株式報酬等の導入の件
今回はこの6議案でしたが、質疑タイムに質問が多かったのは案の定第6号議案でした。

質疑事項

質問１「長期的な配当政策について」
回答１「配当性向30%を基本とし、増収増益がある場合には分かった時点で増配する方針」

質問２「①社外取締役4名中2名が法律（法曹）関係者だが偏りがあるのではないか
　　　　②新社外取締役候補者が損保ジャパン出身で損保ジャパン日本興亜は現在でも7%以上株式
　　　　　を保有しており利害関係者ではないのか
　　　　③旧ヒューリック時代を含め7年も社外取締役を務めている人物が2名いるが、7年というのは
　　　　　長すぎるのではないか」
回答２「①学校、弁護士、ジャーナリスト、会社経営と分野を分けて選んでおり偏っているとは思わ
　　　　　ない。
　　　 ②大株主というのは10%以上を指すので大株主には当たらず利害関係はない
　　　　（※10%以上というのは主要株主のことを言っているのかもしれません）
　　　 ③貴重な発言をしてもらっており、期間で区切る必要はないと考える」

質問３「①第6号議案の業績連動型株式報酬等の導入の背景
　　　 ②通常の報酬とは別枠だが、内枠でないのはなぜか」
回答３「①コーポレートガバナンスコードで役員報酬について現金だけでなく株式を併用することが
　　　　　望ましいとされている
　　　　②現金と株式は異なるものであるため別枠とした」

質問４「①ニチエイ（※昭栄のことと思われる）時代から持っているが、長期優待になっていない
　　　　　がなぜか。
　　　　②長期優遇の条件である3年以上の定義を公開したらどうか」
回答４「①具体的な問題があれば、受付に詳細を知らせてください
　　　　②みずほ信託から3年以上保有している株主の名簿をもらっている」

質問５「配当性向30%は業界では高いと言っているが低すぎる。ヒューリックのような不動産を取得
　　　　し賃貸する業態は他の上場企業にはない。一般的な不動産会社と比較せず不動産リートと比
　　　　較するべき。配当性向もリートと同様に80～90%にすべき」
回答５「当社はあくまでも不動産会社。購入の他、建替、PPP、ウェアハウジングなどリートとは違
　　　　う。私の経営方針は、成長性、安全性、生産性・効率性を高いレベルでバランスさせること
　　　　であり、利益のほぼ全てを配当に回すことはできない。同様の業態にはダイビルがあり、
　　　　リートと同じと考えるのは違う」

質問６「①第6号議案に関連して、現金での役員報酬は業績連動なのか
　　　　②カメラ（会場前面のスクリーンに映る映像を撮影しているカメラ）は社長が回答する時に
　　　　　は社長をアップにするものではないのか」
回答６「①基本的には業績連動である。昨年から報酬委員会を立ち上げ、報酬についてはそちらで検
　　　　　討している」

質問７「物件のほとんどが23区内に集中しているが、首都直下型地震が起きたような場合のリスク管
　　　　理はどう考えているのか」
（※先ほどの意見を受けてか回答する社長がアップになる）
回答７「リスクとしての大地震は考えている。全ビルで理論上、震度7まで耐えられる構造となって
　　　　いる。リスク管理として分散も考えられるが、収益の最大化を図るには首都圏に集中した方
　　　　がいい」

質問８「①橋本さん特殊株主Hの発言内容は席が後方のため分からなかったが、なぜ議長会人の動議
　　　　　としたのかなぜ退場処分にしたのか判然としない(意見として)
　　　　②15万ポイントを昨日終値換算すると1億5千万円だが、15万ポイントにした根拠はなにか」
回答８「①ハッキリと株主から議長解任の動議が提出されましたと申し上げている。
　　　　②3年間という期間を考えると15万ポイントが妥当と考えた」

質問９「非常用の発電機等、非常時における建物のスペックはどうなっているのか」
回答９「地下は浸水の可能性があるため屋上に72時間分の非常用電源を備えている」

質問10「①通知の中にキャッシュフロー表（※キャッシュフロー計算書と思われる）がないが、次回
　　　　　以降付けられるなら付けてくれると有り難い
　　　　②今、分かるならキャッシュフローについて教えてほしい」
回答10「（小林専務が回答）
　　　　①短信等で開示しているので詳細はそちらで見て頂きたい
　　　　②投資等損失2845億マイナス、営業キャッシュフロー362億プラス、財務2579億マイナス」

質問11「①子会社10社以上ある大企業だが、内部体制
　　　　②新日本監査法人を再任する理由を教えてほしい」
回答11「①従業員128名で中小企業の分類
　　　　（以下、中根監査役が回答）
　　　　①グループ監査は常勤監査役2名が担当を分けて子会社監査役を兼務。子会社の常勤監査役と
　　　　　協力している。
　　　　②金融庁に対して業務改善計画が出される等業務改善取組状況に加え会計監査人の独立性、品
　　　　　質管理の状況、執行体制の適切性、当年度監査の実施状況を考慮し問題ないことを確認した
　　　　　ため」

質問12「優良物件や有名ホテルなど有力資産を持っているが、震災等のリスクも考えて資産を本社か
　　　　ら切り離し、新たにリートを組成して会社としてはプロパティマネジメント業に組織形態を移
　　　　行したらどうか」
（※質問5の質問者による2回目の質問）
回答12「一昨年リートを組成し、現在残高は2,000億円程度。3,000億円を目標としており、今すぐ新
　　　　たなリートを組成するつもりはない」

株主総会まとめ

　議長は昨年に引き続き西浦社長。昨年と比べると詰まる箇所が多かった気がするけど、アクシデントにも堂々とした態度はさすがという感じでした。しかし、今回の株主総会を持って代表取締役会長になるので来年の株主総会から議長は吉留新社長になってしまうでしょうね。少し残念です。

　今回欠席されたのは根津監査役のみ。ちなみに根津監査役はインフルエンザとのことでした。インフルエンザなら仕方ないですね。

　ヒューリックの監査法人は、東芝問題で話題になっている新日本監査法人なのですが変更せず継続するようです。

　議事進行・監査役の報告が終わり、報告事項のナレーションつきスライドが流れている途中、会場左前辺りに不審な人影。特殊株主Hらしき人物が入場してきました……。
　しかし、ニット帽を被っていたのと席に着くと大人しく座っていたので人違いかと思っていると、ナレーションが終わるのと同時に席を立ち喋り出した西浦社長の前へ。

　なにやら「動議」とか「議長解任」と言っているように聞こえたのですが、詳細については聴こえませんでした。

　淡々と西浦社長は不規則発言を止め着席するよう促しますが、名物爺さんは応じる様子を見せず、動議否決後、退場と相成りました。

　爺さんが退場処分となり多くの株主が拍手する中、一名だけ「話を聞いてやれよ」と大声で叫ぶ株主がおり、スタッフに付き添われ退場する爺さんが「ありがとう」と言っていたのが印象的でした。

　質疑応答においても株主の質問を打ち切ることなく質問がなくなるまで続ける姿勢は多くの企業に見習って欲しいところです。一方で株主の質問のレベルはどうかというと、少し調べれば分かるようなことを質問したり、下調べしてきたんだろうけど回りくどくて何言ってるか分からない質問が多いように感じました。折角、時間を割いて多くの質問に回答してくれるのですから、有意義な質問にしてほしいものです。