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株かじり系ANAマイラー

株からANAマイル、クレジットカード、アニメまで気の向くままに書いていきます。

「顔写真のない書類」だけでクレジットカードが作れないという誤解

はい、どうも。しばらくブログ更新をサボってお休みしていた私です。

しばらくぶり過ぎてどんなテンションでブログを書いていたかも覚えていません。

そんな私がブログを更新する気になったのは、2016年10月1日の犯罪収益移転防止法改正によって「顔写真のない書類」だけでクレジットカードが作れなくなったという誤解が広まっているようなので、それを正そうと思いったためです。

 

cards.hateblo.jp

他人のブログ記事を晒し上げるような気がして嫌なのですが、クレジットカード関連のブログとしては有名なブログでも誤解が取り上げられているようなので一応紹介しておきます。

犯罪収益移転防止法とは

犯罪収益移転防止法とは、正式には「犯罪による収益の移転防止に関する法律」といい、テロ資金供与の防止やマネー・ローンダリング防止が主な目的と言われています。

この法律では一定の取引では「本人確認」(法律上は「取引時確認」と呼ばれますが、ここでは分かりやすくするため「本人確認」と言います)が必要とされています。具体的には、クレジットカードの発行や銀行口座開設、生命保険契約の締結などもこの確認が必要となります。

この「犯罪収益移転防止法」は、以前は「本人確認法」という名称の法律でしたが、FATF(Financial Action Task Force:マネー・ローンダリングに関する金融活動作業部会)と呼ばれる国際的な機関から日本はマネー・ローンダリング対策がなってないと注意を受け、本人確認法を強化するような形で犯罪収益移転防止法が制定されることとなりました。

今回の改正犯罪収益移転防止法での変更点

全銀協が改正犯罪収益移転防止法に関する周知するためのCMが流れていたこともあってご存知の方がいるかもしれませんが、今回、2016年10月1日にこの法律が改正されました。

余談ですが、今回の改正の裏にも先に紹介したFATFと呼ばれる機関からの非常に強い外圧があり、その外圧を反映する形で様々な法令上の変更があったのですが、意外と大きな変更があったため、関係する業界では今回の改正対応にてんやわんやしていました。

今回の改正による主な変更点は以下のとおりです。

  • 本人確認書類の取扱の変更
  • コルレス契約締結時の厳格な確認
  • 実質的支配者概念の変更
  • 外国PEPs概念の導入
  • 特定事業者の努力義務という名の実質的な義務の拡充

とまぁ、大きな変更というとこれらがありますが、今回の話題で関係あるのは一番上の「本人確認書類の取扱の変更」です。

本人確認書類の取扱の変更により何が変わったか

今回の改正により、顔写真のない証明書の取扱が変更されました。

単純化すると以下の画像のとおりです。

http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201610/img/01_01.jpg

政府広報オンライン

やっぱ「顔写真のない書類」だと追加の本人確認書類が必要なんじゃん!このタイトル詐欺!とか思った方、安心してください。ちゃんと続きがありますよ。

今回の改正によって、「顔写真のない本人確認書類」の「証明力」が下げられ、補完的な措置が必要となったのは事実です。

そして政府や業界団体は、今回の改正による変更点を強調します(改正の周知ですので間違いではありません)。

しかし、今回の改正によって変わらなかったことがあります。この変わらなかった点を見落とした結果が、「誤解」の原因なのです。

「顔写真のない書類」だけでクレジットカードが作れないという「誤解」

変わっていないところに「誤解」があると言いました。

ここで改正法を解説している政府広報オンラインの本人確認完了までのフローを見てみましょう。

http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201610/img/01_02.jpg

はい、真ん中辺りの「※平成28年10月1日から変更」という部分に目が行ったのではないでしょうか。

ここで注目してほしいのは一番下の「非対面取引」の場合です。

f:id:hannax:20161012235226p:plain

今回の改正による変更はありませんので特に強調されていません。

「本人確認書類またはその写しの送付」+「取引関係文書を転送不要郵便等の送付」による方法も認められています。

具体的にどういう意味かというと、クレジットカードを作りたい人は、「健康保険証(コピーも可)」を提示/送付した上で、クレジットカード会社が取引関係文書を転送不要郵便として送付してくれれば、それだけで大丈夫なのです。

「取引関係文書」とは、法令上「当該顧客等との取引に係る文書」とされており、クレジットカードが貼り付けられ、色々と書かれた紙が送られてきますが、あれもこの「取引関係文書」に当たります。

顔写真のない書類だけでもクレジットカードは作れるの?

このように、上記のような方法を使えば、運転免許証のような顔写真つきの本人確認書類がなくてもクレジットカードが発行してもらえるのです。

ただし、どの方法を採るかは、クレジットカード会社の考え次第です。ただ多くのカード会社では、この方法を採用しているものと思います。

念のためカード会社のホームページを確認してみました。ANAマイラーを自称しており、保有しているANAカードの発行会社でもある三井住友カードを見てみましょう。

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お分かりいただけたでしょうか。

運転免許証は、キャッシングの関係(また別の法律)で別記載ですが、顔写真付きのパスポートと並んで健康保険証が記載され、かつ、1つのみで足りると書いてあります。

これは、三井住友カードが改正犯罪収益移転防止法を無視していたり、対応し忘れていたりするわけではなく、上で説明したような方法を採っているということ表れです。

最後に

というわけで、「顔写真のない書類」だけでクレジットカードが作れないという「誤解」があるという話でした。

実際にクレジットカードを申し込めばクレジットカード会社が必要な書類など指示を出してくれるので、このような「誤解」があったところで大した影響はないのかもしれませんが、少し気になったので今回記事にしてみました。

 

過去にはこんな記事を書いていますので、もし興味があればご覧いただけると嬉しいです。

hanna.hateblo.jp

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